トヤマの製造部門
職人技と現代技術を融合させ、精度の限界を突き詰める
トヤマの製造部門
トヤマで主に扱う最先端科学の実験装置では、マイクロメートル(μm)やナノメートル(nm)の極めて高い精度が要求されます。一品一品異なる部品の精密な加工・溶接から、高精度な装置へと仕上げる組立まで、トヤマの製造部門では「職人技」と「現代技術」を融合させています。
金属加工では、一品一様の装置づくりに合わせ、汎用旋盤や汎用フライスなど手動の操作が必要な設備も駆使します。一つひとつ異なる部品を要求通りにつくるためには、臨機応変な調整が効き、感覚的な操作も可能な汎用機の方が発想を形にしやすい場合もあるからです。また、刃物や切削方法ひとつとっても、一辺倒なやり方だけでは対応が難しく、手間のかかる段取りや調整を必要とすることが日常です。その一方で、加工内容に応じてマシニングセンタを選択することもあります。それぞれの工作機械の特長をよく理解し、状況に応じて使い分け、最適な加工方法を突き詰めながら、より高い精度を追求していきます。
こうした案件ごとに異なる条件に向き合いながら最適な方法を考えるモノづくりは、加工だけでなく溶接や組立にも共通しています。図面には要求される精度や仕様は記載されていても、細かな手順まですべてが指示されるわけではありません。それぞれの工程で自ら考え、工夫や試行錯誤を重ねながら、自分なりの方法やアイディアを見出して、より良いモノづくりに挑むことができる。そのような自由度の高さも、トヤマの製造部門におけるやりがい・魅力の一つです。

トヤマの製造部門の特徴
トヤマの製造関連の業務は、大きく分けて金属加工・溶接・組立(組立 / 検査 / 現地工事)に分けられます。図面を元に材料を部品へ、そして部品を装置へとつくり上げていきます。
金属加工では、材料である金属は「生きている」と加工者が表現するほど状態が変化するため、材料の状態・加工環境などに応じて手順を十分に検討した上で加工を行います。市販の刃物や治工具では求められる形状や精度を満たせない場合があるため、熟練者は必要に応じてオリジナルの道具を自ら製作することもあります。
溶接では、熱による金属の変形や材質の特性を見極めながら、求められる形状・精度・気密性を実現するための工夫が必要になります。単に部品を接合するのではなく、一品一様の条件に応じて溶接方法や手順を考え、熱による歪みを極力抑えながら仕上げていきます。
組立では、高精度に加工・溶接された一つひとつの部品を、要求された精度や性能を発揮する一つの装置へと仕上げていきます。単に図面通りに部品を取り付けるのではなく、計測と調整を繰り返し、必要に応じて分解や追加工も行いながら、装置全体を求められる精度に仕上げていきます。

このように、単に自分の担当する工程を決められた手順通りにこなすのではなく、材料を知り、機械の特性を知り、他工程を知る技術者となり、トラブルが生じた場合にも自ら工夫・調整しながら解決策を考え、難題を一つひとつ乗り越えながら高精度な部品や装置をつくり上げていく。それが、トヤマの製造部門の特徴です。
こんな人に向いています
自ら考え、自ら動ける
技術を深く追求できる
チームでつくり上げるのが好き
業務内容
金属加工 / 溶接

汎用旋盤・汎用フライス盤
刃物や材料を回転させ、切削することで形状を整えていきます。加工時の音・切粉の出方や形状を見て、刃物の切れ味や摩耗を察知しながら加工します。汎用機は加工者の技量が部品の出来具合を左右するため、感覚や経験の積み重ねが重要になります。

マシニングセンタ
トヤマでは主に、複雑な形状の加工や同一形状での複数加工にマシニングセンタを用います。加工手順をCAM(コンピュータ支援製造)でプログラムを組み作成します。マシニングセンタであっても、工作機械の機能に加工を委ねるのではなく、汎用機と同様に音や切粉などを確認し、手間のかかる段取りや調整を行いながら作業を進めます。そのため、汎用機を自在に使いこなせるような材料・機械・加工方法などへの深い知見、技術力や経験が必要となります。
サイズが大きい部品や重量のある装置部品にも対応するために、大型のマシニングセンタ(立型、横形、門型)も導入しています。一度セットすれば加工面を変更することなく一括で切削できるため、加工効率を高めることができます。
汎用・マシニングセンタに共通して、図面では指示されない「どうやってつくるか」を自分自身で考えることがこの仕事の醍醐味です。経験を積んで知見が溜まるほど、自分なりのアイディアを駆使してつくることができるようになり、楽しさも増していきます。

溶接
トヤマでは主に放電現象により熱を発生させ金属を溶融・接合するTIG溶接を用います。単に接合するだけではなく気密溶接や強度を追求した高い技術力が求められます。酸化を防ぐために真空炉内で金属接合する真空ブレージングなど、真空装置を扱うメーカーらしく、特殊な技術や知見も必要となります。トヤマの溶接には様々な寸法・形状の溶接経験が必要であり、その積み重ねがいずれ、長年のノウハウが詰まった価値ある技能となります。
組立 / 検査

組立
真空容器や、回転などの動きのある装置を緻密に位置決めしながら組み立てます。要求される仕様を満たすために、単に組み立てるだけでなく、計測を行いながら、また部品にさらなる加工を加えながら組み立てを行うこともあります。要点を熟知し、高度な仕様を満たすために問題に向き合い、工夫を重ね、様々な経験を積み、それをまた次に活かす。挑戦の日々を繰り返しながら、徐々に高精度の装置を組み立てることができようになります。

検査
トヤマの装置は真空状態で使用されることが主となるため、高い加工精度や高気密であることが要求されます。そのため、フランジ締結部の漏れの確認や真空の圧力到達確認試験など様々な検査を入念に行います。お客様の要求精度に満たない時は、分解・組立を繰り返し行い、基準を満たすまで検査を行います。

梱包
組立が完了したトヤマの高精度の装置は、輸送時の振動や衝撃によるネジの緩みなどが発生しないよう梱包にも工夫を施します。固定方法はもちろんのこと、納入先での組立時間を短縮することまでを考慮した輸送治具を備えて出荷します。
国内だけでなく海外のお客様にも発送するため、装置や発送先に最も適した輸送方法をより慎重に選択します。

現地工事
製造した装置が納入先へ輸送された後、トヤマの技術者が現地へ出向き指定された場所への据付・調整作業を行います。社内で一度調整した装置の精度を納入先でも実現すべく測量機器や計測機器を用いて±0.02〜0.1mmの設置精度を満たすよう調整します。現地での据付・調整についても熟練の技術が必要になるので、国内・海外での様々な案件で経験を積み重ねます。
装置完成までの一連の流れ(例)

金属加工
図面を基に材料を加工します。旋盤やフライス、マシニングセンタなど様々な工作機械の中から最適な機械を用いて、要求された精度に調整しながら削っていきます。また、加工方法にはこれまでの経験や知見をフルに活かし自分なりのベストなつくり方を模索します。最終的に装置を高精度に仕上げるためには、当然自身の工程だけでは完結しないため、製造全体を通して後の工程がスムーズに進むような加工方法を考えます。チームワークの視点が大切です。

溶接
加工した部品同士を接合します。トヤマでは主にステンレスを接合します。高温に達する溶融部周辺は熱膨張・収縮を繰り返し、溶融や歪みなど大きな変形が起こります。変形をコントロールするためには材料の特性や入熱の加減に関する知見が欠かせません。真空容器など気密性が重要なトヤマの装置における溶接では、基本内溶接を行ないます。奥まった部分や容器内の接合部分など、一般的な溶接作業では行わないような特殊な部分を接合することも多くあります。特殊な溶接経験の積み重ねが、次の特殊な溶接に活きてきます。

組立
「高い加工精度でつくられた部品」を「高精度なスペックの装置」へと進化させるのがトヤマの組立です。レーザートラッカーやトータルステーション(セオドライト)など光学式計測機器を駆使し、精緻な位置決めや整合性で装置を仕上げていきます。トヤマの組立は組立方法もマニュアル通りに作業すれば良いという類の仕事ではないため、判断に迷うこともあります。そのような場合には、設計、加工、検査な様々な経験や得意分野を持つ社員同士でお互いにフォローし合い、問題を随時解決しながら作業を進めます。仕様を満たせない場合には、原因を分析し真の要因を突き止め、時には追加工を行うなど柔軟に対応し、装置を形にします。組立技術者でも加工機械を駆使し、簡単な追加工であれば自ら行うことも奨励されています。

検査
組み上がった装置が要求仕様を満たしているか、駆動精度・真空容器の漏れが無いかを検査します。品質保証部門の計画する検査系統を全てクリアした装置のみが出荷を許可されます。お客様からの信頼を守るためにも、まずは「どこかに見落としがあるかもしれない」という目線で厳しく確認することを意識します。

現地工事
組み上がった装置を納品先で据付調整・立上げまで行う案件も多くあります。設置位置の振動や床の強度など、外的要因も影響するため、事前に調査を済ませて作業を行います。現地では自社工場でのトラブル発覚時と異なり、必要な治工具・電動工具・資材が揃っていないことが多く、現地にある物や現地周辺で調達可能な物を駆使して対応を求められることも多くあるため、入念な事前準備が欠かせません。
社内では装置単体で組み上げておりますが、現地ではビームラインのコンポーネントとなり、装置が並んだ時完成した姿や、装置が実際に動く様子を見ることができる場合もあるため、モノづくりをやり遂げた実感を得ることができ感動します。また、納品や検収でお客様にお立会いただく際に、ご意見やご感想をいただくこともあり、現地での作業は色々な意味で貴重な機会・経験となります。





